保育士実技試験のピアノとは?課題曲は?自由曲・服装は?
楽譜本・音楽・造詣・言語・独学対策レッスンまで解説
保育士実技試験のピアノ試験が課される場面は主に4つ「保育士養成学校の入学試験)」「保育士養成学校の単位取得課程」「保育士国家資格試験」「保育士の採用試験」があります。
保育士養成学校入学試験でのピアノ実技試験とは?
保育士になるための保育士養成学校には、4年制大学、短期大学、専門学校など様々あります。保育科、幼児教育保育科など、保育士になることを主眼とした幼児教育コースを設けている学校、その学科の入試では、ピアノの実技試験は求められていないケースも多いです。
しかし、音楽大学、音楽大学付属の短期大学など、音楽教育が主となる学校では、入学試験で、ピアノと歌などで相応のレベルの実技試験が課されることが多いです。多くの受験生は、専門レッスンの指導を受けて受験をすることになります。
そのため、どのような将来のキャリアを描くか、またそのための学びをどの学校や学科で行うかによって、保育士になるまでの過程、その準備は異なります。受験前によく調べて、求められるピアノの演奏技術を習得するようにしましょう。
保育士養成学校の単位取得・卒業のピアノ実技試験とは?
保育士養成校では、ピアノの授業、レッスンが設けられています。学校により、指導体制は異なりますが、グループ分けによる、グループレッスン、また個別レッスンなどにより、ピアノのレッスンを行います。学校によりますが、約5分の1程度の学生は、ピアノ未経験の学生もいるため、入学時点でピアノが弾けないことを焦る必要はありません。
しかし、ピアノの練習を怠けて、最終学年まで迎えると、他の科目では十分な成績、単位をとっていても、ピアノ、音楽の授業で、単位取得が出来ず、卒業できない、留年という学生さんが多くいるのも事実です。
学校のレッスンだけで練習不足、理解不足になる学生さんも多いため、単に、卒業のためだけでなく、保育士や幼児教育のキャリア、またご自身の生涯の趣味などとしても、楽しく、でも確実に演奏技術を上げるため、外部でのピアノのレッスンも受講されることをオススメします。
保育士国家資格試験におけるピアノ実技試験とは?
保育士の資格試験における保育士実技試験のピアノ試験とは、保育士の国家資格取得試験で求められる実技試験の「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」三科目から「音楽に関する技術」の課題曲を演奏する楽器「ピアノ」を選択した場合のピアノによる演奏をさします。
保育士試験の受験お申し込み時に、「音楽の技術」「造形の技術」「言語の技術」3科目から2科目をご自身で選択することになりますが、ご自身の演奏スキルや保育キャリアに合わせて、選択するようにしましょう。それぞれの科目では、課題が事前に決められているため、十分に準備、対策をしたうえでご受験されることをおススメします。なお、受験申し込み後、試験が近くなっての科目などの変更は認められていないため、注意が必要です。
保育士(保育園)の就職採用試験におけるピアノ実技試験とは?
保育士の就職と転職先、保育園、保育施設の採用試験においても、ピアノの実技試験が求められることが多いです。保育や幼児教育の現場では、音楽はこどもたちの知性や情緒の発達のために、単に音楽、というより成長そのものに求められるとても重要な要素なのです。そのため、教育に直接携わる保育士にも、音楽、それを奏でるピアノの演奏技術は求められることになります。
採用試験の方法は、公立や私立など運営者、各園によりことなります。ピアノの実技試験を課さないところもありますが、それを就職先選びの条件とすると選択肢が極めて絞られることになります。ピアノは働く要素としては、大きくありませんが、それでもピアノの実技試験もパスできるだけの能力と技術を身につけて、就職活動に臨まれることをおススメします。
求められる課題の内容については、以下で詳しく解説いたします。
保育士国家資格試験におけるピアノ実技試験の概要
保育士国家資格試験における保育士実技試験のピアノ及び弾き歌いの実技試験は、保育士の国家資格取得試験で求められる実技試験の「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」3科目から「音楽に関する技術」の課題曲を演奏する楽器「ピアノ」を選択した場合のピアノによる演奏試験のことをいいます。実際には、ピアノで演奏をしたうえで、歌うことまえ求められる弾き歌いの技術が求められます。
課題曲は、毎年事前に指定されるため、予め準備をした上で試験に臨むことになります。過去の課題曲を見てみてみましょう。
保育士実技試験「音楽」の過去の課題曲一覧(過去10年分)
2012年(平成24年)
(1)「大きなたいこ」(作詞:小林純一・作曲:中田喜直)
(2)『おんまはみんな』(作詞:中山知子・作曲:アメリカ民謡)
2013年(平成25年)
(1)『めだかの学校』(作詞:茶木 滋 ・ 作曲:中田 喜直)
(2)『そうだったら いいのにな』(作詞:井出 隆夫 ・ 作曲:福田 和禾子)
2014年(平成26年)
(1)『おつかいありさん」 (作詞:関根 栄一 ・ 作曲:團 伊玖磨)
(2)『おへそ』 (作詞 ・作曲 佐々木 美子)
2015年(平成27年)
(1)「海」(作詞:林 柳波 ・作曲:井出 隆夫)
(2)「ちびっか・ぶーん」(作詞:井上 武士 ・作曲:福田 和禾子)
2016年(平成28年)
(1)かたつむり (文部省唱歌)
(2)オバケなんてないさ(作詞:まき みのり ・作曲:峯 陽)
2017年(平成29年)
(1)こいのぼり(作詞:近藤 宮子・作曲者不詳)
(2)一年生になったら(作詞:まど・みちお・作曲:山本 直純)
2018年(平成30年)
(1)おかあさん(作詞:田中 ナナ・作曲:中田 喜直)
(2)アイアイ(作詞:相田 裕美 ・作曲:宇野 誠一郎)
2019年(令和元年)
(1)どんぐりころころ(作詞:青木 存義 ・作曲:梁田貞)
(2)バスごっこ(作詞:香山 美子・作曲:湯山 昭)
2020年(令和2年)
(1)大きな栗の木の下で(作詞:作詞者不明 ・作曲:外国曲)
(2)ニャニュニョのてんきよほう(作詞:小黒 恵子 ・作曲:宇野 誠一郎)
2021年(令和3年)
(1)あひるの行列 (作詞 :小林純一・作曲:中田喜直)
(2)揺籃のうた (作詞:北原白秋・作曲:草川信)
2022年(令和4年)
(1)『小鳥のうた』 (作詞:与田凖一・作曲:芥川也寸志)
(2)『びわ』 (作詞:まど・みちお・作曲:磯部俶)
令和4年保育士実技試験概要(音楽に関する技術 抜粋)
1) 音楽に関する技術
幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする。
求められる力:保育士として必要な歌、伴奏の技術、リズムなど、総合的に豊かな表現ができること。
課題曲
1. 『小鳥のうた』 (作詞 :与田凖一 作曲:芥川也寸志)
2. 『びわ』 (作詞:まど・みちお 作曲:磯部俶)
- ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれかで演奏すること。(楽譜(紙のみ)の持ち込み可)
- ピアノの伴奏には市販の楽譜を用いるか、添付楽譜のコードネームを参照して編曲したものを用いる。
- ギター、アコーディオンで伴奏する場合には、添付楽譜のコードネームを尊重して演奏すること。
- いずれの楽器とも、前奏・後奏を付けてもよい。歌詞は1番のみとする。移調してもよい。
注意1 : ピアノ以外の楽器は持参すること。持参楽器の不具合(弦切れなど)がないよう注意してください。
注意2 : ギターはアンプの使用を認めないのでアコースティックギターを用いること。
カポタストの使用は可。
注意3 : アコーディオンは独奏用を用いること。
引用元:一般社団法人全国保育士養成協議会HPより
2) 造形に関する技術
3) 言語に関する技術
保育士(保育園)・幼稚園教諭(幼稚園)の就職採用試験のピアノ実技試験対策には何が必要?
保育士(保育園)・幼稚園教諭(幼稚園)の就職採用試験では、ピアノ及び弾き歌いの実技試験が求められることが多いです。保育や幼児教育の現場では、音楽はこどもたちの知性や情緒の発達のために重要な教育技術だからです。
保育養成校や幼稚園教諭資格取得のための教育課程では、学校の授業でピアノ、音楽、弾き歌いの授業はあるものの、資格取得のための最低限の技術取得に留まる場合もあり、就職採用試験への対応には足りない場合も御座います。
採用試験の内容は、運営者(公立か私立か)、各園の運営及び採用方針により決まるため、各園ごとに確認を必要としますが、そこで求められる方法とその基礎力、応用力はある程度決まっています。ここでは、その内容について、見ていきましょう。
保育士実技試験における課題曲、自由曲と初見演奏
就職採用試験で求められるの演奏方法は、主に3つ「課題曲」「自由曲」「初見演奏(新曲視奏・新曲視唱)」です。それらは、基礎的な技術は一緒でも、試験に対して求められる準備や能力の深さが異なります。それぞれに会った適切な対策を行うことが大切です。
保育士実技試験の課題曲(ピアノ実技試験・弾き歌い・歌)
課題曲は、その名のごとく、試験に対いて事前に課題となる曲が示されるもの。そのため、楽譜を手に入れて事前に練習をすることも出来るため、実技試験の課題としては、最も易しく、またポピュラーでもあります。資格取得試験、採用試験でも最も多く課される方式の1つと言えるでしょう。ただし、同一の楽曲を受験者や候補者が弾くため、その分、技術の比較や差が明確になります。ミスを少しでも減らし、それぞれの能力を最大限に引き出せる準備をしましょう。
課題曲対策レッスンへ
保育士実技試験の自由曲(ピアノ実技試験・弾き歌い・歌)
保育士採用試験における実技試験では、自由曲による審査を行う園もあります。自由、と言われるとかえって何を弾いて良いか分からないという方もいるでしょう。自分の力が発揮できる、上手に弾ける曲を選ぶことが第一となりますが、自由曲選びや楽譜のアレンジ、演奏のポイントなどを踏まえて十分に準備をすることも大切です。採用試験である以上、定員より多い応募があった場合には、採用不採用の分岐点になることもあるため、今ある力を発揮できるように対策をして臨みましょう。
自由曲対策レッスンへ
保育士実技試験の初見演奏(新曲視奏・新曲視唱)
保育園、幼稚園、子ども園の採用試験においては、園により、初見演奏(新曲視奏・新曲視唱)が課されることもあります。事前に確実な準備が可能な課題曲や自由曲と異なり、音楽の基礎からの訓練やそれで身につく能力が求めれられるため、養成校など入学後にピアノを始めた方、養成校のレッスンのみしかしていなかった場合、苦手なまま、失敗をしてしまう方が多くいらっしゃるのも事実です。初見演奏(新曲視奏・新曲視唱)の対策は、他の課題と比較すると、一朝一夕とはいきません。適切な訓練を少しでも早い段階で始める必要があるため、気になる方、必要がある方は、お早めに
保育士に必要なピアノ演奏技術や音楽技術
保育士に必要なピアノ演奏技術や音楽技術は、保育士や幼児教育指導者として特別に高度なものが求められる、というわけではありません。ピアノをゼロからしっかりと習っていれば自然と身につくもので十分なレベルに達します。しかし、昨今の幼児教育や習いごと事情により、ピアノを習っていない、またピアノの指導方法が講師によりばらつきがあり伝統的な練習で学んでいない場合、保育士や教諭として理想的な技術に届いていない、その基礎がないというケースもあります。
バイエルって弾けないとまずい?課題曲でも用いられる可能性あり!
バイエルとは、ピアノ練習で使用する全106曲の練習曲を含む入門用教本です。明治時代に米国から日本にもたらされ、1990年代頃までピアノ初心者教本の定番としても用いられてきました。昨今では、他の教本の使用率も増加しつつあるものの、伝統的な教本であることから、保育園・幼稚園の就職採用試験でもピアノ実技試験に楽曲が使用されることがあります。単に、楽曲ではなく、演奏の基礎、技術向上のためのステップとしてゼロから一通りこなせるように練習をしておくと良いでしょう。
保育士実技試験での弾き歌いの対策って?
保育士実技試験、保育園、幼稚園、子ども園の採用試験でも課される「弾き歌い」、つい、ピアノの演奏の練習にばかり気をとられて、歌はなんとかなるとおろそかに試験に臨む方も多くいるのではないでしょうか。しかし、「弾き歌い」では、特にピアノの演奏をクリアしつつ、歌をみられる比重も大きいため、歌を合わせた形で、早めに練習を行い慣れておくと良いでしょう。
保育士実技試験対策、普段のお仕事にも日頃からレパートリー充実の練習も大切
保育士や幼稚園教諭になるための、資格試験、採用試験、念願の保育園や幼稚園の就職の後も、ピアノや伴奏は大変重要です。お子さんたちにふさわしい、好まれる曲など、楽曲のレパートリーを増やしていくことが、試験対策、実務対策としてもとても大切です。各試験では、それらのレパートリーとして推奨されている曲が実技試験で課されることが少なくありませんので、レパートリーを増やして、音楽を楽しんでいくことが合格、楽しいお仕事への近道となりますよ。
❖音楽実技試験の対策をする